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2025年度から新築住宅に省エネ義務化の流れ。購入者への影響は?

2021年5月19日、国土交通省の有識者会議が新築住宅に対し、断熱性を高めるなどして省エネルギー基準に適合させるよう義務付ける、という内容を合意しました。果たして、住宅購入に省エネ義務化の影響はあるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

義務化の影響はある?

「省エネ対策の強化」と「再生可能エネルギー導入の拡大」を主な論点として、政府は住宅・建築物の省エネ対策について深く検討しています。前者は新築住宅の省エネ基準適合化義務に該当し、後者は太陽光発電や蓄電池の導入が該当するようです。

元々は2013年ごろから話し合いが進められ、2015年には義務化する流れもありましたが、業界全体が義務化に反対したことで先送りに。2020年に再び話が立ち上がったものの、省エネ性能の計算を行うパソコンソフトの導入等の問題もあり、やはり見送られたとか。

そんな中、3度目の正直とばかりに義務化が決定された今回。やはり一番気になるのは「新しく住宅を購入する場合、影響はあるの?」ということです。

木造住宅は心配なし、逆に
鉄筋マンションは厳しいとの意見も

これに関しては、戸建ての木造住宅を新しく建てる場合にはほぼ心配ない、と言われています。現在も省エネ住宅の新築・購入に関する補助金や減税措置などが取られていますし、今後も国が義務化を推進する限りは、合わせてそれに伴った政策が続けられるはずです。仮に多少のコストアップが見込まれたとしても、それを支えるような形で進められるのではないでしょうか。

しかし、あえて懸念があるとすれば鉄筋コンクリート造のマンションについて。従来の日本のマンションは、基本的に内側に断熱材を用い、外側をタイル等で覆う方式でした。ですがもし厳しい省エネ基準が設定され、今まで以上に断熱性を高める必要がある、となれば、コンクリートの外に断熱材を貼らなければならなくなります。

そうすると建物自体のフォルムが膨らみ、敷地内すべてを使ってマンションを建てることが困難になるのです。その分売る面積が減ってしまうので、コストアップは免れなくなると言えるでしょう。ただし、従来どおりの内断熱で賄える程度の基準なら、この限りではありません。

長い目で見れば、省エネ住宅の方がオトクという考え

省エネ住宅は初期費用が比較的高くなりやすいと言われていますが、一方で消費エネルギーを抑え、光熱費を削減できるという利点があります。結露による住宅の劣化も防げるため、建物自体の資産価値が上がる可能性も。将来的なことを考えれば、省エネ住宅の義務化は前向きに考えるべきことかもしれません。

2050年の目標
「カーボンニュートラル」とは

「カーボンニュートラル」という言葉を聞いたことはないでしょうか?これは温室効果ガスの排出量に関し、2050年までに総合的にゼロにする、といった取り組みのこと。つまり、脱炭素社会を目指すということです。

どうすればゼロになるの?といえば、「二酸化炭素をはじめ、温室効果ガスと呼ばれるものの排出量から、森林等が温室効果ガスを吸収した量を差し引いた」数値が前提となっています。ニュートラル(中立)とは、どうしても排出自体をゼロにするのは難しいところを、できる限り削減し、かつ吸収や除去によって相殺する、という意味だと言えるでしょう。

木々には二酸化炭素を吸収する性質があるので、近年木造住宅の建築が人気を集めているのも頷けるのではないでしょうか。

取り組みは各事業者の努力にもかかっている

カーボンニュートラルは国が推進している取り組みではありますが、実際には各事業者の努力によるところが大きいと考えられます。そのため、ゼネコンやハウスメーカー、工務店などは、今後もグリーン社会を実現するための研究開発に尽力することでしょう。これからの発展に、大いに期待したいものです。

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